マリオが娘を救った日

4月25日 

スーパーマリオの映画を娘と二人で観に行く予定でした。チケットも前もって買ってある。なのに娘の機嫌が悪い。

俺の娘、たまにあるんだよな~こういうの。でもどうしてこんな時に?前もって約束していたのに、チケットも買ってあるのに!

段々こっちも心が張り裂けそうになってきた。抑えないと。ここで腹立てたら益々おかしくなってしまう。落ち着け落ち着くんだ俺!

優しく声をかけてみた。「じゃあ、自分だけ行ってこようかな?チケット買ったし。」

娘は一言。「行く。」

ホ~!行く気はあるんだな。よかった、とりあえず。


娘が機嫌を悪くしていた理由がありました。

今日のゴミ出しは娘の担当だったんです。いつもはおばあちゃんと二人で行くはずでしたが、夕べゲームをやり過ぎたのか、朝起きるのが遅くなってしまって、おばあちゃんが一人で行ってしまったのです。

おばあちゃんは心不全と診断されています。娘は何時倒れても良いようにそばにいてあげたい、不具合が起きたらすぐ救急車に連絡できるようにしたいと思っていたそうです。だから一緒に行けなかったことをずっと悔やんでいた。

過ぎた事なのでほっておけばいいのに——娘には軽度の知的障害があって、融通が利きにくいところがある。一つの事に固まってしまうと、なかなか抜け出せない。執着というか、依存というか。

日頃から言っているんだけどね、まだ立ち切れないらしい。

「手放せ!」と頭ごなしには言えない。そんな簡単なものじゃない。でも、娘よ!今の目標は「スーパーマリオの映画」だ!これからの人生、何度も選択しなければならない事が起こるだろう。いちいち一つの事にこだわっていては、楽しいことを掴むことができないではないか!


そうこうしている内に娘は髪の毛を整えはじめ、何とか着替えた頃が9時近く。ちょっと焦る。タクシー使おうか?娘は朝ごはん抜きになってしまった。

でも動いた。マリオが娘を動かした。

正論でも説得でもなく、マリオでした。

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