胡粉の溶き方が重要

胡粉ついて 

 古代から現代に至るまで、胡粉は白い色の表現または色に混ぜて使用されてきました。美しくきめ細かい胡粉の白い色は、今もなお古典と呼ばれる作品の中に生きています。

胡粉は牡蠣とかハマグリなどの貝殻で作られており、主成分は炭酸石灰で燐酸石灰も少々含まれていると聞きます。貝殻や海浜などで長年にわたり風化したものを粉砕して、不純物をとり、水槽に流し、順々に沈殿によって何段階にも粒子をわけてゆきます。

上質のものは、きめが細かく薄く平たい塊がスライス状のような形をしていて、粗悪品は粉状をしています。最上品を特号とか一号とか呼んでいます。三、四号までが、絵画用として用いられ下級品は塗料に用いられるときいています。絵具屋で求めるときは、特号とか一号とかいわず、その店によって名称が違いますので、確かめて買うようにして下さい。

胡粉は、絵具の中では溶き方が難しく、「絵描きの修行の一つ」とまでいわれてきました。

胡粉は、非常にデリケートな味をもっていて溶き方も、用い方も絵を左右します。絵具に混ぜるとき、入れすぎると色が出ないし、少なすぎると色が硬くいい色が出ないのです。ほんの少しの微妙な加減が絵を作るのです。

古典の菊の花などは、胡粉は一度にどかっと厚く塗りますとひび割れや剝落しますので、何度も何度も重ねて用いるのです。

 

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