第1話:運命の出会い
高校を卒業して新しい会社に入社した頃は、すべてが新鮮でわくわくする時期でした。しかし、徐々に慣れてくると将来の夢など考える余裕もなくなりました。上司の言うことを聞いて業務をこなす毎日で、夢やアイディアなどは遠くの話に思えました。
長い間、未来の展望が見えない状況になっていた頃、偶然自分が描く絵に人の顔がうまく描けることに気づきました。その才能を知人に見せると、水墨画教室があると教えてもらい、興味津々で参加することにしました。水墨画の世界に触れるうちに、自然と日本画を勧められるようになりました。日本画の先生から教えを受け、先生の絵や生活の話を聞く中で、これまでの考え方が新鮮に感じられました。
運命のように思える出会いによって、自分の内に秘めていた才能や興味が目覚め、新たな可能性が広がり始めました。これから日本画の世界にどんどん足を踏み入れていく予感がして、ワクワクと胸を躍らせながら新しい世界への一歩を踏み出すことになるのでした。
第2話:西洋画との違いに戸惑い
初めての日本画教室で、僕は驚くことがありました。それは、日本画と西洋画との違いについてでした。西洋画では多くの線を描いたり、写真のように細かく描くことが一般的ですが、日本画では違っていました。日本画はむしろイメージを重視するのです。また、色も実際の色にこだわるのではなく、自由な発想で表現されることが多いです。そのため、絵としての色合いが実際のものとは全く違って見えることもあります。しかし、そんな独特なスタイルには奥深い奥行きが秘められているのです。日本画は自分の想像の世界を描くような感覚であり、その自由さに魅了されました。これからも日本画の魅力を追求していきたいと思います。
第3話:失敗から学び、成長への道
絵を描く中で、数々の失敗に直面することがありました。特にスケッチをしている際に、何度も略失敗を繰り返しました。一生懸命描いたスケッチが、なかなか良い作品にならないこともありました。失敗の連続でしたが、私は諦めることなく、自分が美しいと感じる姿を描くことを心がけました。
日本画の美しさに感動し、自分自身を信じることで、徐々に成長していく喜びを知りました。周りからの評価や他人の目を気にすることなく、自分の心からの思いを絵に込めることが大切だと気づきました。日本画の世界は、自分自身を表現する貴重な場所であり、自己成長の道でもありました。
この経験は、会社員としての職業では味わえないものでした。日本画を学ぶことで、自分自身で考え、創造し、進んでいく必要があることを実感しました。会社員のように他人に頼ることなく、全ては自分次第だという責任感と自由さがありました。
もちろん、この自由な職業には生活の問題もあります。成功するためには多くの努力と犠牲が必要であり、それが時には生活を揺さぶることもあるでしょう。しかし、私はこの道に進むことで得られる成長と自己実現の喜びを噛み締めています。
第4話:夢の実現と感動の瞬間
独学の旅は簡単ではありませんでしたが、自分と向き合い、努力し、感動を求める姿勢が私を支えてくれました。 そして、夢だった日本画の世界で、自分の手で創り上げた絵が完成した瞬間は、何物にも代えがたい感動がありました。 自信を持ち、自分の絵を認めることができた時、僕は自分の旅が始まるために気づきました。