今回は岩絵具について、岩絵具って何なのかを話していきたいと思っています。
岩絵具って結局、鉱物の事ですね!
岩絵具の素材とその魅力
岩絵具には、鉱物が主な原料として使用されます。例えば、藍銅鉱(アズライト)から取れる群青や、孔雀石(マラカイト)から得られる緑青が代表的です。これらの鉱石はかつて、日本が鉱業国家であった頃に採れたとされています。日本はものすごく銅山とか多かったですから、土佐光起の『本朝画法大伝』では多田銀山ではすごく綺麗な群所が採れたようで文面も載っています。でも、今は全然採れないそうです。群青の岩石を見ると形がブロッコリー見たいです。
私は、よく使っていましたし以前かから採れないとは聞いていたので寂しい感じがしていました。
現在は、アフリカのコンゴが主な鉱山となり、緑青や群青は露天掘りで取得されています。ただし、群青は非常に希少で、アズライトの採掘が主流です。ミネラルフェアなどで見られるアズライトの美しさは、絵具に加工されないまま収集されています。アズライト(藍銅鉱)こんな一瓶で4000円とか非常に高値ですね。
絵具の種類と使用される鉱物
日本画においては、主にアズライト(藍銅鉱)が群青、孔雀石(マラカイト)が緑青として使用されます。一方で、ラピスラズリは欧州の青色絵具の代表とされています。この青色を得るためには、チェニーニの方法による抽出が行われ、その価値はかつて金と同等とされました。例えば…チェンニーニの方法でつくったヨーロッパの青です。
チェニーニー著「芸術の書」に記載の方法。この代わり一瓶で2万円します。分ける方法は吸着率の違いで、松ヤニを使って吸着率の違いによって押し出して青い部分を取り出す。それが古いヨーロッパでの作り方です。絵画では、フェルメールの青いターバンの少女が頭に巻いている部分ですね!昔は金と同じような価値があるくらいの絵具だったとのことです。群青って綺麗ですもんね!
この頃は日本画ではほとんど使われていなかったようです。日本画で使われているのはせいぜい江戸時代の後半に、もう若干あるぐらいで基本的にアズライトしかないです。
他にも、グリーンジャスパー「碧玉(へきぎょく)」や黒曜石、電気石、タイガーアイ(虎目石)虎の目のような形からこの様な名前が付けられました。日本画が絵具にすると「枯葉」色です。など、さまざまな鉱物が絵具の原料として利用されます。これらの鉱物には、独特の色や質感があり、絵画表現に豊かな要素を提供しています。
絵具の焼き方と色の変化
絵具の焼き方によっても、鉱物の性質が変化します。群青や緑青は銅が主成分であり、焼くことで黒くなります。鉄分が含まれると赤く、銀が加わると白くなります。また、黄土を焼くと茶色系になります。
ただし、絵具の焼き方が意味を持つのは群青や緑青などごく一部であり、ほとんどの絵具においては焼くことが必ずしも重要ではありません。
鉱物の毒性について
絵具の中には毒性のある鉱物も存在します。昔は辰砂や朱砂が希少ながらも使用されていましたが、水銀の輸出禁止やヒ素を含む石黄(オーピメント)の危険性から、これらは現在では製造されていません。特に辰砂を焼くと有毒ガスが発生するため、取り扱いには注意が必要です。私はほとんど興味がないですかね!いちょう知識までで収めてください。
結びつけて見る岩絵具の魅力
岩絵具は鉱物が持つ多彩な色や質感、焼き方による変化など、その特性からアーティストたちに愛されています。絵具を通じて鉱物学的な特徴を知ることもでき、美術と自然科学の融合とも言えるでしょう。
これらの岩絵具は、単なる絵の具ではなく、鉱物の神秘と芸術の融合ともいえる素材です。アーティストたちはこれらの素材を通じて、自らの感性や技術を発揮し、美しい日本画を生み出しています。