昔、教えていただいた話

昔、教えていただいた話 post thumbnail image

今日は胡粉の溶き方によって絵の質が変わる話をします。

胡粉の溶き方は親方によって様々で、僕が習った親方の森戸国次先生は、「中学に行かないで永平寺(えいへいじ)に絵の修行にいったそうです。三年間絵は一枚も描かせてもらえないで、ほとんど胡粉の溶きをやらされていたようです。」と、ぼやいていました。

それだけ胡粉の溶き方で絵の質が変わるのだなという僕は認識をしていました。これは後で気がついたのですが、同じ教室の生徒さんの絵を見て気がつきました。その絵は、何の変哲のない、野球で言うと変化球が無い絵でしたが、見ているだけでも良い絵でした。これは僕の推測でしかないのですが、よく胡粉の溶いた後に、少々墨を混ぜただけでも、違いが出ます。一般的にはグレーの色のように見ても、日本画の場合は茶色のようにも見えるし簡単に説明しがたいです。恐らく永平寺で修行している方もそれが分かっていたから、三年間絵を描かせないで胡粉溶きをやらせたのだと思います。これが理解できれば、絵が下手でもそこそこの絵が描けますという事でしょうか。

それだけ胡粉の溶き方で、絵の質が変わり重要という話です。

Related Post

日本画家・森戸国次の足跡日本画家・森戸国次の足跡

今日は、いろんな人の日本画家の著名人をネットで検索してみました。するうちに何となく昔お世話になった先生を思い出しました。その頃の私は、世間知らずでした自分だった頃を思い出します。たくさんの人からお世話になったことを思い出 […]

日本画の魅力的な絵具の使い方日本画の魅力的な絵具の使い方

今日は胡粉の溶き方によって絵の質が変わる話をします。 胡粉の溶き方は親方によって様々で、僕が習った親方の森戸国次先生は、「中学に行かないで永平寺(えいへいじ)に絵の修行にいったそうです。三年間絵は一枚も描かせてもらえない […]

「飽きない絵」と「飽きてしまう絵」の魅力「飽きない絵」と「飽きてしまう絵」の魅力

森戸国次先生の絵が人気を集める理由について考えてみました。ネットの記事を読むと、分かりやすさがその理由の一つだという意見があります。その理由を語る前に、昔見た映画の話をしたいと思います。題名は忘れてしまいましたが、利休と […]