日本画の絵具について

1. 絵具

墨(すみ): 黒色の顔料で、日本画の基本となる絵具です。墨は石や松煙(まつえん)から製造され、濃淡の表現に使われます。

日本画を描く際に用いる顔料で、天然の鉱物を砕いて精製したものです。
岩絵具は粉砕した時の粒子の大きさで14級に分級されています。
粒の大きいものから順に1番、2番と数字が割り振られており、一番細かい14番は淡い色で白っぽいので白(びゃく)と呼ばれます。

2.絵具の選び方

・顔料絵具:伝統的な日本画では、顔料絵具を使うことが一般的です。顔料は鮮やかな色彩を持ち、長期間にわたって色あせしない耐久性があります。

・水彩絵具:近代的な日本画では、水彩絵具も使われることがあります。水彩絵具は水で溶かすことで扱いやすく、透明感のある表現が得意です。

 

3.岩具の(新・天然)名称

 

すべての絵具は把握できていませんが、大半これだけ理解し手入れが描けると思います。

青・緑色系23種類

群青 群緑 紫群青 紺青 黒群青 白群 松葉緑青
ぐんじょう ぐんろく むらさきぐんじょう こんじょう くろぐんじょう びゃくぐん まつばろくしょう
浅黄群青 水群緑 水浅黄/水浅葱 緑青 黒群緑 白緑
あさぎぐんじょう みずぐんろく みずあさぎ ろくしょう くろぐんろく こん びゃくろく
焼緑青 裏葉緑青 黒緑青 草緑 茶緑 古代緑青
やきろくしょう うらばろくしょう くろろくしょう りょくそう ちゃろく うぐいす こだいろくしょう
青茶 黄草
あおちゃ きぐさ

 

緑・黄・茶系19種類

若葉緑青 黄茶 若葉 黄緑青 鶯茶 碧石
わかばろくしょう きちゃ わかば きみどりしょう うぐいすちゃ へきせき
山吹 鶸色 金茶 代赭 黄金末 黄金茶 栗茶
やまぶき ひわいろ きんちゃ たいしゃ おおごんまつ おおごんちゃ くりちゃ
黄土 朱土 海老茶 黒茶
おうど しゅど えびちゃ くろちゃ かば

 

茶・紅・赤系14種類

黄紅 辰砂 黄口朱 古代朱 紫紅
こうこう しんしゃ べに こうこうしゅ こだいしゅ しこう
臙脂 珊瑚 黄樺 樺茶
えんじ もも さんご おうかば はだ かばちゃ だいだい
紅樺
べにかば

 

紫・灰系12種類

銀鼠 古代紫 マンガン紫 紫銀末 紫鼠
むらさき ぎんねずみ こだいむらさき ねずみ むらさきぎんまつ むらさきねずみ
藤紫 辰砂 焦茶 小豆茶 紫金末
ふじむらさき しんしゃ こげちゃ あずきちゃ しきんまつ

 

黒・灰・白系17種類

濃鼠 硅灰末 錆黒 紫黒 素鼠 利休鼠
くろ こねずみ けいかいまつ さびくろ しこく すねずみ りきゅうねず
電気石 黒曜石 軽石 橄欖石 方解石 水晶末 雲母
でんきいし こくようせき かるいし かんらんせき ほうかいまつ すいしょうまつ うんも
箔・泥(金・銀他)
すみ はく・どろ

他に各種類ごとに番号が付いていて、それによって色も違ってきます。

例えば群青でしたら10番とか9番とかで色が違います。買うときには注意が必要です。

また、岩絵の具の粒子によって、塗り方に違いが出ます。塗りやすい方は値段が高いです。

4.膠(にかわ)

膠は世界各地で古くから使われて来た接着剤だそうです。原料としては、動物の皮、骨、日本では魚なども使われたそうです。いわゆるタンパク質、コラーゲンと呼ばれるものです。

僕が使っているのは古くから使われて来た三千本膠です。三千本膠は乾燥した状態で売られています。一本あたり約11グラムから15グラム程度の重さです。

煮るときには水に溶かしますが、それぞれの分量等、使い方によって異なります。あくまで一つの例として捉えてください。

ビーカーやニカワ鍋、耐熱性のガラスコップを使って煮ますがそれぞれに入るように細かく砕かねばなりません。僕は場合は、キッチンタオルいなどを使って包み、割っています。ペンチなどで切ってもよいでしょう。破片が生きよ意欲飛び散るので注意が必要です。他の人の目に入る危険があります。

煮る前日に膠を水に浸けておきます。
一中夜すると膠は水を吸って柔らかくなり、溶けやすくなります。

分量(割合):三千本膠(1本)+ 水(60cc程度)

一昼夜、水に浸したニカワです。水を吸って膨らみ水から飛び出しています。(膠は腐りやすいものです。こうして浸け置きする場合も。梅雨や夏などどうしても常温では腐ってしまう場合があります。なるべく使わない時は冷蔵庫に入れておくなど注意が必要です。)

鍋に水をはった状態で、浸け置きした上記のニカワを湯煎して煮ます。
完全に溶けるまで十分に煮てください。

膠は生ものです。

特に梅雨の時期、夏は腐りやすくなります。防腐剤の入った膠もありますが、この防腐剤が絹など基底材をいためる場合もあります。基本としては自分で膠を煮ましょう。
腐りやすいですので保存は冷蔵庫を使います。

胡粉など、膠の柔軟性が重要な絵の具もあります。胡粉を作る時は特に新鮮な膠を使いましょう。

5.筆の種類と選び方

・毛筆:毛筆は日本画で最もよく使われる筆の一つです。柔らかい筆毛を持つものを選ぶと、線を柔らかく描くことができます。狼毫(ろうごう)や羊毛(ようもう)などが一般的な選択肢です。

・羊毛筆:羊毛筆は柔らかい毛を使っており、広い面を一度に塗ることができます。背景などの大きな面を塗る際に便利です

 

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